組み込みプログラマー
組み込みプログラマー
組み込みプログラマーとは、自動車や家電製品、工業製品など、身の回りにある様々な機械や電子部品などに組み込まれているコンピュータ向けのプログラムを作るのが主な仕事です。このように、組み込みプログラマーなしでは、現在のテクノロジーは成り立たないのです。
しかし、これらの機器は、他のプラットフォームと違い、専用のOSや、GUIなどが存在しないのが一般的です。そのため、独自のノウハウと技術が必要とされるのがこの分野の特徴です。
また、組み込む機器のレベルも、マイコンと呼ばれる、基本的な機能しか実装していない最低限のコンピュータシステムから、通信・GUI昨日までを実装した高度な装置まで、実に様々です。
そのため、一口に「組み込みプログラム」と言っても、その内部は細部に分かれており、内容も実に多彩です。
必要とされる技術
しかし、どの分野でも求められる組み込みプログラマーの素質はコンパクトで早く正確なプログラムを作成する能力です。一般に組み込みプログラムの対象となる電子機器は、パソコンなどと比べてメモリも少なく処理能力も低いのが一般的です。
そのため、プログラミング言語としては、比較的コンパクトなプログラムを作成できるC言語・C++言語や、アセンブラがまだ多用される分野です。(表1.参照)
表1.組み込みプログラマが必要とする技術
項目 | 内容 | 詳細 |
プログラミング 言語 | C言語 | コンパクトなプログラムが作成できる言語です。組み込みで最も多用されます。 |
C++言語 | C言語をオブジェクト指向に対応するように拡張したものです。 |
アセンブラ | CPUに対して直接命令を出すタイプの言語で、ARMやZ80など、CPUごとに異なります。 |
ソフトウェア 工学 | 開発プロセス | ウォーターフォール・スパイラル型の開発プロセス |
UML | オブジェクト指向の言語の設計方法 |
ソフトウェア テスト | ソフトウェアの品質を保証するテスト技法 |
プログラミング以外のポイント
エレキ・メカの知識
すでに説明したとおり、組み込みプログラムにおいては、その対象となる機器に関する理解も欠かせません。自動車なら自動車の、電子機器ならその電子機器に関する知識は当然ながら必要とされます。
また、必ずしも必要というわけではありませんが、できれば担当する分野の機械や電子基板などの知識はあった方が良いでしょう。家電製品なら電子工学、自動車なら機械工学などの知識があるとなおよいでしょう。
仕事の仕方
組み込みプログラマーは機械および電気・電子関連のメーカーおよびその関連・下請けの会社の技術者がほとんです。また、そういった会社に派遣される派遣プログラマーも多いのがこの分野のプログラマーです。
服装
服装は自由なケースがほとんどですが、メーカーなどによっては、その会社で用意している作業服などで仕事をするケースがあります。一くくりにするのは困難ですが、機械系などの仕事では、制服を着て作業をするようなケースが多いかもしれません。
キャリアデザイン
組み込みプログラマーも他の分野のプログラマー同様、SEになるというキャリアパスがあります。また、ひたすら職人に徹し、名人芸の域に達するような専門プログラマーが多くいるのもこの分野の特徴です。熟練工が必要とされる上に、なかなか人材がいない分野なので専門家は重宝され、「35歳定年説」などということが言われることが多いプログラマーの分野で、長く働くことができる分野であると言えます。
年収
プログラマーというよりは、電子・機械の分野のエンジニアの一部というケースが多く、収入はその会社の給与体系に比例します。そのため、企業によって異なりますが、だいたい500万円台から600万円台というケースが多いようです。