最先端の技術
CGを用いた最先端の技術
現在、2D/3Dとは無関係にCGの技術は私たちの生活の中に浸透しています。パソコンやゲーム機、スマートフォンに内蔵されている様々な機能や、デジタルテレビなどで私たちは日常的にそれら技術に触れることができますが、ここではその中でも特に最先端の技術について説明していきます。
AR
ARとは
AR(Augmented Reality)とは、日本語で、「拡張現実」と言われる技術で、人が認識できる現実の環境をコンピュータを用いて拡張する技術です。例えば、コンピュータの画像処理技術を用いて、現実に存在する机の上に、実際には存在しないキャラクターをあたかもその場に存在するように表示するといったものがあり、ゲーム等様々な領域で応用されています。
ヘッドマウントディスプレイ
ARを体感するためのデバイスとしてよく用いられるのが、ヘッドマウントディスプレイです。(図7-1.)これは頭部に装着するディスプレイ装置のことで、これを用いることにより、眼の前にある現実の画像とコンピュータによって人工的に生成された画像を合成して、あたかもそれが現実であるように感じさせることが可能になります。
図7-1.ヘッドマウントディスプレイまた、単に画像を表示するだけでなく、左右のディスプレイに少しずつ違った映像を表示することで立体感を表現することができることから、巨大なディスプレイなどのようにスペースを必要とせずに大画面が体感できるディスプレイとして使用されます。
ARの応用例
ARの技術を用いたアプリケーションは、すでに私たちの身の回りで使われ始めています。例えば、スマートフォンでは、目の前の景色が画面上に映し出された際に、その場所・対象物(建物・看板など)に関連する「エアタグ」と呼ばれる文字や画像といった情報が重ねて表示される「セカイカメラ」や、「Layar」といったアプリケーションがすでに利用されています。これら技術は、観光や広告・マーケティングの領域で利用されています。
また、「ゆうびんAR」は、アプリを内蔵したスマートフォンをこのアプリに対応した年賀はがきにかざすと、さまざまなAR画像が楽しめる年賀状です。このように、ARはすでに私たちの身の回りで使い始められています。(図7-2.~図7-5.)
図7-2.ARの例① | 図7-3.ARの例② | 図7-4.ARの例③ |
---|---|---|
プロジェクションマッピング
プロジェクションマッピングとは
プロジェクションマッピング(Projection Mapping)とは、コンピュータで作成したCGとプロジェクタを用いて、建物や物体、空間に対して映像を映し出す技術の総称です。これにより、実物(リアル)と映像(バーチャル)を融合させ、それによって生み出す魅力的な世界観はいま世界中で注目を集めています。(図7-5.~図7-6.)
図7-5.プロジェクションマッピングの例① | 図7-6.プロジェクションマッピングの例② |
---|---|
プロジェクションマッピングの事例
現在、プロジェクションマッピングは、主にイベントやコンサートなどの演出として利用されているケースがほとんどです。2014年には東京駅が開業百年を迎えることを記念して、駅舎をスクリーンとしてプロジェクションマッピングが行われたり、札幌雪まつりでも雪像に対して行うなど、好評を博しました。また、ミュージシャンのプロモーション日でもにも頻繁に利用されるようになり、私たちの目に触れる機会も日々増えています。