商品先物取引

商品先物取引とは

商品先物投資

商品先物取引とは、金や石油、穀物などの取引を行い、変動する価格を利用して利益を上げる投資方法です。こういった、商品のことを、英語でcommodity(コモディティ)と言うことから、略してCXなどと呼ばれたりします。

なぜ先物と言うのか

商品先物取引とは、もともと農産物などを収穫前に取引することから始まった制度です。業者が収穫前にある一定額で農産物を購入し、購入時の価格よりも高く売れれば利益を得られ、逆に安ければ損をします。生産者にとっては、農作物の出来にかかわらず一定の収入を得られるというメリットがあります。

これは、その他石油や金・銀などといった工業製品についても同様で、商品先物取引は、こういったものを必要とする業者が、価格の変動に備えるための一種のリスクヘッジとして利用するものです。

投資の方法

商品先物取引の取引方法は、FXの場合と同じ、差金取引です。差金取引とは、一定の証拠金を取引で利用する口座に入金し、レバレッジをかけてトレードするというものです。ただ、FXとの違いは、取引の対象となった商品により、売買契約に基づいて受渡をする期限が半年から1年という具合に、取引期限が限定されています。

取引期限は月ごとに区切られており限月(げんげつ)といいます。限月には、決済までの期間のもっとも短い期近(きじか)、もっとも期先(きさき)、その他の限月に関しては、期中(きなか)というものがあります。投資を行う際には、ただどの商品に投資するか、ということだけではなく、どの限月のものに投資するか、というのも重要なポイントです。

投資の始め方

仲介業者に窓口を作る

株やFXとちがい、商品の取引は証券会社ではなく、専門の仲介業者(一部例外あり)によって行われます。そういった会社は、「○○商事」「○○貿易」といった商事会社や貿易会社のような名前です。

ただ、一口に商品といっても非常に多岐にわたるため、一つの業者がすべての商品を扱っているわけではありません。扱う商品を先に決め、その上で業者を決めるのが一番良いでしょう。

商品先物取引で扱う商品

商品先物取引で扱われる商品は、多種多様です。すべてを網羅するのは不可能なので、以下で代表的なものを紹介しておきます。(表1.)

表1.商品先物で取り扱われる代表的な商品
分類 商品 詳細
金属商品先物の王道です。取り扱う会社が非常に多いのが特徴です。
銀と並んで取引量の多い商品です。貴金属のみならず工業製品としての需要も高いのが特徴です。
パラジウム工業製品として使用される金属です。排気ガスを減らす触媒として近年需要が高まっています。
穀物小豆日本では北海道が主産地です。近年では中国からの輸入品も増えています。
一般大豆大豆のなかでも遺伝子組み換えとは区別されていない大豆です。アメリカが主な産地です。
トウモロコシ近年では食糧としてのみならず、エタノールの材料としても使用されます。
石油系原油様々な石油系商品の原料となる商品です。値段は国際情勢に左右されます。
灯油民間で暖房用に流通する商品です。冬になると値段が上がる傾向にあります。
ガソリン他の石油製品と同様に、原油価格、為替、需給動向などが反映されます。
その他日経225先物株価指数である日経225に連動した先ものです。

最後の日経225先物を見て、奇妙に思われた方も多いかもしれません。しかし、こういった金融派生商品(デリバティブ)と呼ばれるものも先ものとして扱われています。商品の中では珍しく、証券会社で取り扱える商品です。

先物以外の商品投資

さまざまな商品投資法

商品に投資する方法は、仲介会社を介して先物取引を行うだけではありません。たとえば、ETFの中には、金や銀、原油価格などと連動する商品が存在します。それらは、株式などと同様、証券会社で購入可能です。

また、近年ではCFDによる商品投資も広く行われるようになりました。CFDは、外国為替、商品、株価などあらゆるものに連動したデリバティブの一種です。その中に、金や原油などの商品も存在します。


デル株式会社