入出力装置

入力装置と出力装置

コンピュータを使うユーザーが、コンピュータを操作するために必要となるのが、入力装置(にゅうりょくそうち)出力装置(しゅつりょくそうち)です。二つを総称して、入出力装置と呼んだりします。ここでは、それら入出力装置についてより詳しく説明していきます。

入出力装置の基礎概念

インプットとアウトプット

個々の入出力装置の詳細について説明する前に、まずは入出力装置に関する重要な概念について説明します。一つ目が、インプット(Input)アウトプット(Output)と呼ばれるものです。(図4-1.)

インプットとは、入力の意味で、情報をコンピュータに入力することです。キーボードやマウスを操作したり、音声で指示を出したりするような行為は、このインプットにあたります。コンピュータは、外部からのなんらかのインプットを受けて動作するのが一般的です。

それに対し、アウトプットとは、出力という意味で、コンピュータが、演算結果など何らかの情報をディスプレイに出力したり、音声やプリンターなどの形で出力することを言います。コンピュータは、このインプットとアウトプットの両方があって操作可能になります。

図4-1.インプットとアウトプット

I/O

続いて紹介するのは、I/O(アイ・オー)と呼ばれるものです。これはInput/Outputという言葉の略で、機器やシステムなどに、外部からデータや信号を入力したり、外部に出力したりすることを指します。

一般的にはCPUやメインメモリが、それ以外の装置や機器とデータや信号をやり取りすることを指し、OSやBIOSがソフトウェアに提供するそれらの制御手段などのことを意味する場合もあります。入出力装置や外部記憶装置などの周辺機器について説明するさいによく出てくる言葉なので、覚えておきましょう。

スループット

インプットやアウトプットという言葉は比較的よくつかわれるようになり、一般的ですが、普段あまり使われることがないけれど重要な概念にスループット(Throughput)と呼ばれるものがあります。

スループットとは、コンピュータの単位時間あたりの処理能力のことを指します。良くつかわれるのがネットワークのスピードや容量を表すときで、家庭用のルーターや無線LAN機器などで、「スループット:50Mbps」などと表記されています。これは1秒あたり50Mbのデータを処理できるという意味です。

様々な入力装置

キーボード

続いて、さまざまな入力装置について説明していきます。まず最初に説明するのが、キーボードです。キーボードは、キーを入力することによりコンピュータに入力を行う装置で、コンピュータの入力装置としては現在主流なものの一つです。

現在パソコンで使われているキーボードには、大きく分けてWindows用とMac用のものがあります。また、それぞれのキーボードも、なかで様々な企画に分かれています。(表4-1.)スマートフォンやタブレットにも外付けでキーボードをつけることができます。アップル社の製品のキーボードはMac用の、それ以外はWindows用のキーボードに対応しているケースが多いようです。

表4-1.メモリの種類
OS 言語 名前 詳細
Windows 英語 101キーボード 英数字のみのキーボード
104キーボード 101キーボードにWindowsキー×2 と、アプリケーションキー×1が追加
日本語  106キーボード 「かな」キーが存在。
109キーボード 106キーボードにWindowsキー×2 と、アプリケーションキー×1が追加
Apple 英語 USキーボード Mac用の英語キーボード
日本語 JISキーボード Mac用の日本語キーボード

日本で一般的に販売されているパソコンに付属しているキーボードはほとんどが109キーボードです。しかし、ユーザーによっては注文時に101キーボードを希望したり、別途独自のキーボードを購入し使用するケースも少なくありません。

また、デスクトップPCのキーボードには、右側にテンキーという数値を入力するための専用のキーが付属しているケースがほとんどです。ノートタイプのものも、大型のものには付属しているものがあります。

マウス

マウス(Mouse) GUI操作のためによく使われるコンピュータの周辺機器で、キーボードと並び代表的な入力機器です。マウスはポインティングデバイスの一つです。ポインティングデバイスとは、画面上に表示されるポインタやアイコンを操作するために用いる装置のことです。

現在のマウスには、2つのボタンと、一つのホイールと呼ばれるものがついています。ボタンは画面上の特定のアイコンなどを指示し、ファイルを開いたりソフトを実行させてりすることに使います。それに対し、ホイールは長い文章のページ送りなどといった使われ方をします。

ボタンを押すことをクリックと言います。一般にクリックという場合、マウスの左側のボタンを押すケースを指します。右側のボタンの場合は、明示的に右クリックと言います。また、短い時間に高速で2回クリックすることを、ダブルクリックと言います。

現在使われているマウスは、光学式(こうがくしき)マウスと呼ばれるもので、LEDなどの光源と光学センサにより、移動を検出します。古いマウスはここにゴムのボールがついており、ボール式マウスと呼ばれていました。

その他の入力装置

コンピュータには、この他にも様々なタイプの入力装置ものが存在します。以下に、主なものを紹介します。(表4-2.)この他にもたくさんものもが存在するのは言うまでもありません。

表4-2.コンピュータの入力装置
名前 写真 詳細
トラックボール
(Trackball)
マウスを裏返したような形をしていて、ボールを手で動かしてポインタを移動させるタイプのポインティングデバイスです。
マウスのように装置自体を移動させなくても操作できるのが特徴です。
タッチパッド
(TouchPad)
ノートパソコンなどで利用されるポインティングデバイスの一種です。パッドと呼ばれる板状の装置の上で指を動かすことでポインタを移動させます。
マウスが利用できないような環境でノートパソコンを利用する際に利用されます。
ゲームコントローラ
(GameController)
名前の通り、ゲームの操作を行うためのコントローラです。スティック状のジョイスティック(Joystick)と、ボタンタイプのゲームパッドがあり、現在は後者が主流になっています。
ゲーム専用機にはもとも接続されているか本体に内蔵されています。パソコンなどでゲームをする際にはオプションとして購入する必要があります。
イメージスキャナ
(ImageScanner)
紙に書かれた文字や絵などのデータをデジタル画像データとしてコンピュータに取り込むための機器です。
コピー機のように原稿を置く据え置きタイプと、スキャナを手に持って原稿をなぞるハンディ・タイプのものがあります。現在はプリンタ複合機の一機能として搭載されているケースの方が多くなっています。
タッチパネル
(TouchPanel)
液晶パネルのような表示装置にタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた機器で、画面上の表示をタッチすることで機器を操作する入力装置です。ディスプレイがあることから、出力装置を兼ねているともいえます
かつては切符の自動販売機や銀行ATMなどで用いられるのが主流でしたが、現在ではスマートフォンやタブレットPCでは標準的な入力装置で、パソコンでも用いられるようになっています。
ペンタブレット
(PenTablet)
パソコン本体にケーブルで繋げて、イラストや画像を作成できるデジタル機器です。ペンを使ってタブレットをなぞって使用します。「ペンタブ」とも呼ばれます。
ポインティングデバイスの一種ですが、筆圧の強弱を伝えられるなど、画像作成に特化した機能がついています。
近年ではタブレット部分が液晶ディスプレイになっている液晶タブレットと呼ばれるものも存在しています。
Webカメラ
(WebCamera)
インターネットやPCビデオ等を使用して、撮影された画像にアクセスできるリアルタイムカメラのことです。ライブカメラ(生中継カメラ)とも言われています。
近年ではノートパソコンではあらかじめ内蔵されているモデルが増えています。
音声チャットで画像を撮影するために用いたり、セキュリティのために用いられたりしています。

出力装置

ディスプレイとビデオカード

続いて、出力装置について説明します。出力装置として最も大事な装置は、なんといってもディスプレイと、それをコントロールするビデオカードでしょう。ディスプレイは、コンピュータの出力機器の一つであり、画像を表示する方法としては、現在主流なものは液晶ディスプレイ (LCD)です。また、状況によってはビデオプロジェクタがつかわれることも増えています。

ディスプレイとパソコンはビデオカードでつながれています。ビデオカードは、コンピュータで映像を信号として出力または入力するためのカードで、近年ではメインボードに統合されているものも増えています。このカードにはディスプレイとの接続端子があります。接続端子には、デジタルデジタル+アナログアナログが存在します。

ビデオカードには、2D/3Dグラフィックスの表示に必要な計算処理を行うLSIであるGPU(ジー・ピー・ユー/Graphics Processing Unit)が搭載されており、コンピュータのディスプレイにどれだけ高精細な画像を高速表示できるかは、このパーツの性能に依存します。

プリンタ

ンピュータで作成した文字データや画像データ、図形データなどを紙やOHPシートなどに印刷する装置です。出力方式により様々なタイプに分類されますが、最も普及しているのはインクジェット方式レーザー方式です。

インクジェットプリンタは安価で小型なため、家庭などで広く利用されていますが、スピードが遅いという欠点があります。レーザープリンタは比較的高価だが印刷速度が速く、精細な出力が得られるので、主にオフィスなどで利用されます。現在では、複合機(ふくごうき)と言って、プリンターとスキャナー、コピー機などが統合された機器が最も普及しています。

その他の出力装置

コンピュータには、この他にも様々なタイプの出力装置が存在します。以下に、主なものを紹介します。(表4-3.)この他にもたくさんものもが存在するのは言うまでもありません。

表4-3.コンピュータの出力装置
名前 写真 詳細
スピーカ
(Speaker)
パーソナル・コンピュータ(PC)で使われるスピーカーは内蔵、外部設置などさまざまなものがあります。バリエーションも様々で、安価なものから本格的な音声を楽しめる5.1chのスピーカーまで、様々です。
このほかにもマイクといっしょになったヘッドセット(Headset)と呼ばれるものが存在し、チャットなどで利用されます。
プロジェクター
(Projector))
ディスプレイ装置の一種で、画像や映像を大型スクリーンなどに投影することにより表示する装置です。会議などで資料を投影するのにつかわれるケースが多いですが、近年では性能が向上し、大規模・高精細の画像が表示可能になったことから、プロジェクションマッピングなどの演出に利用されています。
ヘッドマウント
ディスプレイ
(Head Mounted
Displa)

画像:WIKIMEDIACOMMONS
頭部に装着するディスプレイ装置のことです。ウェアラブルコンピュータの一つで、スマートグラスとも呼ばれます。両眼・単眼に大別され、目を完全に覆う「没入型」(非透過型)や「透過型」といったタイプがあります。前者はゲーム専用機で使われ、後者は工場で作業員が装着し、作業工程を見ながら作業をしたりすることに利用されます。
3Dプリンター
(3D printer)

画像:WIKIMEDIACOMMONS
3DCAD、3DCGデータを元に立体(3次元のオブジェクト)を造形する機器です。樹脂を空間に吐出し、デジタルデータを立体造形物として実体化することができます。また、そのようにして立体物を造形することを3Dプリンティングと言います。