インターフェース
インターフェースの規格
現代のコンピュータの装置は高度に発展し、単純にその機器を「五大装置」だけに分類してきましたが、ここでは各種装置をつなぐための通信・インターフェースの規格について説明したいと思います。かつては無数にあった規格が、現在では、有線のものでは、USB、無線のものではほぼBluetoothに一本化されてきました。そこで、最後にこれらの規格の概要について説明することにします。
USB
USBとは
すでに何度か説明したとおり、USBとはユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus)の略で、パソコンや情報家電に周辺機器を接続する規格で、キーボードやマウスといった基本的な入力装置、外付けハードディスクやプリンタなど、幅広い分野の周辺機器が、USBで接続可能です。(図7-1./図7-2.)
直接パソコン本体や情報家電との接続ばかりでなく、USBハブ(図7-3.)と呼ばれる中継器をつなぐことにより接続台数を増やせます。それによってパソコン一台につき最大127台のUSB機器を接続可能です。
図7-1.USBのロゴ | 図7-2.USBコネクタ(A端子) | 図7-3.USBハブ |
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バスパワー
USBのケーブルから供給された電源を使用し、周辺機器を動作させる方式のことを、バスパワー(bus power)と言います。バスパワーで動作する機器はコンセントから電源を引いてくる必要がありませんが、全てのUSB機器がそれに対応しているわけではないので、注意が必要です。
USB機器は複数接続することができますが、バスパワー動作する機器どうしをつなぐような配線は避けるべきだといわれています。
USBの規格
じつはこのUSBは、複数の規格に分かれています。基本的にUSB関連の機器はポートが統一されていることから、どのような機器も接続されてしまい、あまり意識することはありませんが、目的や用途によって違う規格が使われているので注意が必要です。
表7-1.USBの規格規格 | 形状 | 転送速度 | 備考 |
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USB1.1 | 最大12Mbps | キーボードやマウスなど比較的スピードを必要としない機器に有効 | |
USB2.0 | 最大480Mbps | デジカメの画像はハイビジョンの映像のデータの転送に有効 | |
USB3.0 | 最大5Gbps | ポートの内側の色が青い。より高速に画像などの大容量データ転送が可能。 |
これらの規格の接続口には、規格の違うUSB機器を接続することは可能です。ただし、スピードは遅い方のものに変化します。例えば、USB1.1ポートにUSB3.0、USB2.0の機器も接続できますが、データ転送速度はUSB1.1のものになります。
Bluetooth
Bluetoothとは何か
Bluetooth(ブルートゥース)は、スマートフォンをはじめ、パソコンやスピーカーなど周辺機器のパッケージにマークが記されています。デジタル機器用近距離無線通信の規格のひとつです。(図7-4.)パソコンや携帯電話、周辺機器などをケーブルを使わずにワイヤレスで接続し、機器間で音声やデータをやりとりすることが可能です。
図7-4.BluetoothのロゴBluetoothは、機器間の距離が10m以内であれば、壁などの障害物があっても通信が可能です。Bluetoothの規格は細かいバージョンに分かれており、主要なものを列挙すると、以下のようになります。(表7-2.)
表7-2.Bluetoothの主要なバージョンバージョン | 説明 |
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1.1 | 普及バージョン。 |
1.2 | 2.4GHz帯域の無線LAN(11g/b)との干渉対策が施される。 |
2.0 | オプションとして容量の大きいデータを通信する際に最大通信速度が3Mbpsの通信に切り替えるEDRが実現される。 |
2.1 | ペアリングが簡略化され、近距離無線通信のNFC (Near Field Communication) に対応。 Sniff Subrating機能(=省電力モード)が追加され、マウスやキーボードのバッテリー寿命を最大5倍延長可能に。 |
3.0 | 従来の約8倍のデータ転送速度(最大24Mbps)を実現。電力管理機能を強化し、省電力化を向上させた。 | 4.0 | 大幅な省電力化を実現する低消費電力モード(Bluetooth Low Energy=BLE)に対応、 通信速度1Mbpsを実現する。 |
2.4GHz帯域の無線LANとの干渉や、電力消費が大きいといった問題がありましたが、バージョンがあがるにつれてそれらの問題は徐々に解決されていきました。
利用できる機器
パソコンではキーボードやマウスがBluetoothにより無線化され、(図7-5./図7-6.)複数の周辺機器が接続されて線が複雑にからみあうこともなくなります。
また、スマートフォンでは、Bluetoothに対応したヘッドセットを利用することにより、音楽を聞いたり、通話を出来たりします。(図7-7.)Bluetooth機能を使ったアプリを利用することによって、スマホ同士で連絡先や画像を交換したり、データ通信が可能になります。ワイヤレスのイヤホンを端末に繋げば、ハンズフリーで通話をしたり音楽を聴くことも可能です。
図7-5.ワイアレスキーボード | 図7-6.ワイアレスマウス | 図7-7.Bluetoothヘッドセット |
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クラス
Bluetoothには、電波強度を規定したクラス(Class)という概念があります。各機器はいずれかのクラスに分類されていて、電波強度の差だけであり、両方が同じクラスである必要はありません。例えば、クラス1に対応しているBluetoothRヘッドセットと、クラス2に対応しているスマートフォンを接続した場合、スマートフォン側のクラス2に合わせて電波到距離は10mとなる、といった具合です。(表7-3.)
表7-3.Bluetoothのクラスクラス | 電波到達距離 |
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クラス1 | 最大100m |
クラス2 | 最大10m |
クラス3 | 最大1m |
プロファイル
Bluetoothに対応した機器には、プロファイルと呼ばれる仕様があります。これは、機器ごとにできることを表すもので、このプロファイルが一致している者同士が接続することが可能です。パソコンとマウス、スマートフォンとヘッドセットなどは、このプロファイルが一致しています。主要なプロファイルには、以下のようなものがあります。(表7-4.)
表7-4.Bluetoothの主なプロファイルプロファイル名 | 説明 |
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DUN | 携帯電話・PHSを介してインターネットにダイヤルアップ接続。 |
FTP | パソコン同士でデータ転送。 |
HID | キーボード・マウスなどの入力装置を無線化。 |
HCRP | プリンタへの出力を無線化。 |
HSP | ヘッドセットと通信。。モノラル音声の受信だけではなく、マイクで双方向通信する。 |
HFP | 車内やヘッドセットでハンズフリー通話。HSPの機能に加え、通信の発信・着信機能を持つ。 |
A2DP | ヘッドフォン・イヤフォンに音声伝送。 |
AVRCP | AV機器のリモコン機能。(再生、一時停止、音量調整など) |
ICP | 同一ネットワーク内にあるBluetooth搭載携帯電話同士を公衆電話網を介さずに直接、接続させる。 |